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最高裁判所第三小法廷 昭和37年(オ)963号 判決 1963年7月30日

主文

本件上告を棄却する。

本件附帯上告を却下する。

上告費用は上告人らの、附帯上告費用は附帯上告人の、各負担とする。

理由

上告代理人武田弦介の上告理由について。

所論は、ひつきよう、原審で主張判断のない事実を前提として原判決を攻撃するに帰するから、採用できない。

附帯上告について。

附帯上告を提起しうる時期については、民訴法第三九六条により、同法第三七二条が準用されているので、附帯上告は、それが上告理由と同一の理由に基づくと否とを問わず、上告審の判決があるまで(上告審で口頭弁論が開かれたときは、その終結に至るまで)提起することが許されるものと解しうるように見えるが、上告理由書の提出の期間が上告受理通知書の送達を受けた日から五〇日とされている(民訴規則第五〇条)こととの権衡上、附帯上告が上告理由と独立した別個の理由に基づくものであるときは、当該上告についての上告理由書の提出期限内に原裁判所に附帯上告状を提出し、かつ、それまでに附帯上告理由書を提出することを要するものと解するのが相当である。しかるところ、本件附帯上告理由が本件上告理由と独立した別個の理由(原判決が上告人らの連帯責任を認めなかつたのは違法であるとの論旨)に基づくものであることおよび本件附帯上告状が提出されたのは昭和三七年九月一五日であり、上告代理人武田弦介に上告受理通知書が送達されたのは同年六月一九日であること、したがつて、本件附帯上告状は右上告受理通知書が送達された日から五〇日をこえた後に提出されたことは、記録上、明らかである。したがつて、本件附帯上告は、不適法であり、却下を免れないといわねばならない。

よつて、民訴法第四〇一条、第三九九条の三、第九五条、第八九条、第九三条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 横田正俊 裁判官 河村又介 裁判官 石坂修一)

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